ブルーロック (2)のレビュー!新しいタイプのサッカー漫画

サッカー

1巻で“青い監獄”の地獄バスに乗せられた300人のFWたち。2巻(2019年2月15日発売・全192P)はその初戦・初得点・初敗北がまとめて襲ってくる、いわば**「一次選考・血まみれ開幕戦」**の巻だ。絵心甚八の「ストライカーは怪物であれ」という檄に、潔世一をはじめチームZの11人が本能むき出しでぶつかり合う。ページを閉じる頃には、己だけの“武器”を探して部屋をウロウロし始める危険な状態になっているはずだ。


ざっくりストーリー(核心はかすめ取り程度)

  1. チームZ vs チームX ― キング・馬狼照英の洗礼
    初戦。パスも役割分担も皆無の“団子サッカー”で右往左往するZに、王様(キング)を名乗る馬狼が圧倒的ミドルで先制。潔は咄嗟に國神へパスを出し、自身の“匂いを嗅ぐ力”に気づき始めるが試合は1-5で惨敗。

  2. “武器発掘トレーニング”――己の強みは何だ?
    敗北後、絵心が「お前らはまだ“武器”を知らない」と突き刺す。チームメイト同士で長所を言い合うワークが始まり、潔は“ゴールの匂いを察知する空間認識”“最適解のパス”こそ自分の刃だと自覚していく。

  3. チームZ vs チームY ― 初勝点への死闘
    リーダー二子率いる組織派Yに先制され、残り1分。潔は蜂楽のドリブルに便乗し“匂い”を感じ取って裏へ抜け、G-KILL(通称ガガ丸)のダイレクトをアシスト。1-1でドロー、勝点1をもぎ取り「俺のサッカーが動き出した」と吠える。


キャラクター “エゴが爆ぜた瞬間”

キャラ 今巻の沸点 体感温度
潔世一 “空間認識”に気づき「俺のゴールは俺が創る」と決意。 🔥🔥🔥
蜂楽廻 「ボールと遊ぼうぜ!」天才ドリブルで壁をこじ開ける無邪気な狂気。 🎨→🔥
馬狼照英 正面突破からの無慈悲ミドル。全シーンが名刺代わり。 👑💥
二子一揮 ハイプレス&カウンターでZを翻弄する“眼鏡司令塔”の策士っぷり。 🧠✨

五感を揺らすBEST3シーン

  1. 馬狼の“ライオンロア”ミドル
     ボールがえぐれたようなスピード線と「ドゴォン!!」の擬音。ページなのに耳が痛い。

  2. 蜂楽⇢潔⇢ガガ丸の“連鎖反応”ゴール
     見開きで3人を一直線に繋ぐ光線演出。化学反応という言葉が可視化された瞬間に鳥肌。

  3. 武器発掘トレの寸止め罵倒合戦
     「お前の良さは何だ?」「知らねぇよ!」と怒鳴り散らすシーンのコマ割りがまるで格ゲーの挑発。


作画&演出のキレ味

ノ村優介のペンはさらに刃渡りを伸ばす。縦長フレーム+極細集中線でピッチの奥行きを強調し、選手同士の距離=スキマ=“ゴールの匂い”を読者にも嗅がせる技巧が光る。アクションの残像は墨を飛ばしたようなエフェクトで「速い」「重い」をリアルタイムに脳へ流し込む。


読書サイトの反応(ざっくり)

読書メーターには「馬狼が全部持っていった」「主人公覚醒が胸熱」「武器探しワークが自己啓発みたいで刺さる」といった声が並び、1巻で抱いた“狂気への興味”が“熱狂”へ変わった読者が急増。


ちょっぴり惜しいトコ

  • キャラとチームが一気に増えて相関図が頭パンパン。巻末キャラ表のスクショ必須。

  • サッカー戦術より心理と演出重視。リアル志向派は「もっとフォーメーション語れ」と叫ぶかも。


まとめ──“武器を手にしたら、次は弾倉をぶち込め”

2巻は「敗北→自己分析→初得点」というスポーツ漫画王道を、エゴと狂気で真っ赤に塗り替えた加速巻だ。馬狼という“理不尽な怪物”に踏みつけられた痛みが、潔の中で鋭利な刃に変わる瞬間を一緒に見届けることで、読者自身も「俺の武器って何だ?」と考えずにいられなくなる。

残酷な歓声とスタンドにこだまする溜息はぜひ本編で浴びてほしい。

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